東京人の夏富士登山 2025
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夏とはいえ、富士山はこういうところです。
>夏富士は『簡単に行けてしまう難しい山』
七合目辺りまでを日中に登って日中に下りるならば、普段着に雨具、フリース一枚持参といった装備でも出来ないこともないでしょう。天候悪化したら引き返せば良いのです。しかし、特に夜間登山が含まれる場合は、そのような装備では(絶対に)心許ないと言えます。富士山では登るに従って次第に気温が下がり、最も寒いのは御来光を待っている間の夜間の頂上で、気温5℃にも下がります。汗も滴る真夏の暑中で信じられないかも知れませんが、頂上では日の出までの数時間を誰もが完全防寒でガタガタと震えながら待つことになります。最近では登山者が激増した為か、山頂ゴール直前の狭い登山道で渋滞が起こるようになり、それまでを見越しての早目の登頂が増加。その為、寒い中をガタガタと震えて過ごした登頂者らは、午前3時半の小屋オープンを、入口の前に列作って今か今かと待つのです。その表情や様子は鬼気迫る光景です。
予定 | 服装(装備) |
---|---|
日中登山 (+ 山小屋宿泊) + 日中下山 | Tシャツ + 長袖シャツ + 雨具 |
夜間登山を含む登山 | Tシャツ + 長袖シャツ + フリースorダウンジャケット + 雨具 |
尚、山では『強風』というものがあるので、『傘』は到底役に立ちません。いいところ、山小屋宿泊時にちょっとトイレまで行くのに役立つ程度でしょう。
最も重装備な服装が必要と思われるのはご来光を見る為の夜間登山と頂上での待機時間の服装・装備で、私の場合は・・・
頭 | 直射日光や雨から身を守るツバ付きの帽子と温かい防寒帽子 |
上 | 内側から、長袖の吸汗速乾シャツ / (化繊か毛の長袖シャツ) / フリースジャケット / ジャージ上 / (冬用防寒着) / 防水透湿雨具の上着 |
下 | 内側から、下着 / 長ズボンorジャージ下 / 防水透湿雨具のズボン |
足 | 内側から、下着靴下 / 厚手靴下 / ハイカット防水靴 / (スパッツ) |
といったところ。平服を基本に、登って標高が高くなり寒くなっただけ上着し、下って平温に近づき暑くなってきただけ脱衣できるような着方が上手いかと。また、1.濡れないように、2.濡れても乾き易い ように衣服の形状と素材を選べば上等です。
遠慮なく動けて濡れても乾き易い化繊製のジャージは向いていると思っています。特にズボンは有用でしょう。
登山に際して最も重要な用具は履物と雨具です。履物は雨具と違って天気に関係なく使用するし、雨具は体温保持に強力に寄与する用具なので、どちらもとても重要と言えます。どんな山でも天気は変わり易いため、結果的に使わなくても雨具は絶対に持っていくべき用具でしょう。
ところがこの履物と雨具、登山用品店に行くと並んでいるものは数万円という高額なものばかりです。今後も登山を続けるならばともかく、たった一度の登山の為にこれを購入するのは無理があるでしょう。夏富士登山の場合、履物は登山靴でなくても、むしろ地下足袋の方が好適かも知れませんが、雨具となると数時間の着用は確実なので、できれば長時間着ていても蒸れないような雨具が欲しいところです。
といった、簡易雨具でも可能な登山予定を立てることです。日が暮れたら山小屋に宿泊し、日の出と同時に活動再開といったような夜間登山の無い予定で、雨風の無い晴天時ならばなんとかなるとも思います。
ビニールの簡易雨具は着れば必ず体が濡れるので、寒い環境下で長時間使うことはオススメできません。『雨』で濡れなくても、『汗ムレ』で濡れてしまうのです。富士山頂でご来光を見るべく夜間登山をしたり、頂上の屋外で数時間待機する場合は、長時間着用し続ける事になるので、やっぱりゴアテックス等の防水透湿素材の雨具をオススメします。
「山は逃げない」 といいます。いきなり高度な登山を目指すとどこかに無理がかかります。できるところからできるところまでを繰り返しながら、段々に目標の高度を上げていくことで無理の無い登山行になるのではなかろうか。遠方からの富士登山ならば、まずは近場の山で感触を掴んでおきたいかと。
中腹まで車で気軽に行けるのと、いきなり3776mの制覇と夜間登山とご来光という高い目標を達成しようとするから、途中でいろいろと予期せぬ問題が起こるのです。
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