東京人の夏富士登山 2019

なぜ真夏の富士山で凍死(低体温症)するのか

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濡れた体に冷たい風が吹きつけると体は一気に冷える

標高が高くなると気温が下がる。つまり、高い山ほど山頂は涼しく、寒くなる。夜の富士山の山頂ともなると真夏でも真冬の寒さになります

加えて、霧や雨や強風が加わった場合どうなるかというと、まず霧と雨が身体を濡らします。次に、その濡れた体に冷たい強風が吹きつけることになります。これは冷蔵庫の中の送風機前に濡れた体を晒すようなもので、例えば、冷蔵(凍)庫の中に濡れたタオルや手ぬぐいを入れるとどうなるか試してみてください。あるいは、常温のビールを短時間で冷やすには、濡れたタオルを巻きつけて冷凍庫に入れると、速く冷えるんだそうです。または、スキー場の宿で風呂上りに濡れたタオルを屋外で振り回したところ、すぐに凍って一本の棒状になりました。濡れに低温と風が加わると一気に冷えるのです。

山でも同じで、濡れた体に冷気が吹きつけると急速に冷やされ寒くなり、ガタガタと震え出します。ちょっとくらいならばまだ問題ないのですが、衣服が濡れていたら尚更です。乾かそうにも火などは到底起こせないので、体温で乾かすしかありません。これが改善されずに長く続くと低体温症夏山での凍死になるのだと思っています。それでも、登山中は登山という激しい運動をしていて体は熱を発するので、差引きさほどの問題は感じないのですが、散々歩いて体力消耗し、疲れて運動を止めると、体は冷え一方と考えられます。

八合目以上の登山を予定し、それが夜間登山を含む場合などは、体温維持の保温と対雨の防水対策は絶対必要と言えます。

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夜に霧と雨に巻かれるとライトが効き辛くなる

これはちょっと怖かったです。夜間登山中に霧と雨に巻かれると、ただでさえ暗闇の為に周囲の様子がわかりにくいものが更に分からなくなります

夜間登山なので、当然、ライトを点けての登下山になりますが、そこへ霧が立ち込めると、ライトはレンズの前の霧ばかりを照らし出し、肝心の照らしたいものが照らしにくくなります。夜間の登山では、ライトは主に足元確認や数メートル先の行き先確認に使用しますが、霧が立ち込めると、ライトの光が霧に遮られて遠くが照らせなくなり、その分だけ手探りに近くなります。こうなると、自分が進むべき道を識別しにくくなるのと、九十九折り(つづらおり:ジグザグ状の線状)の下山道では足を踏み外し損なう事もありました。この時点でかなり暗中模索の手探り状態で、ヘタに動いて道でないところを進んでいたら、おかしなところへ行っていたかも知れません。

ライトに反射するガイドロープや案内板がかろうじて残っていたので、それを頼りに上手く進めました。もしこれが無かったら、岩だらけの登山道は土と草の山とは違って道とそれ以外の見分けがつき辛いようです。

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どうして真夏の山で・・・?

ここまでを読めば、夏山で登山者が凍えて亡くなる(凍死)訳がかなり想像できるのではないでしょうか。富士山の場合、装備も知識もない初心者がいきなり普段着で3776mの山頂を目指せてしまうところに落とし穴がある気がします。また、上記に加え、近年では満員の為に山小屋が入館を断ったケースがありました。こうなるともう下山しかないわけですが、夜間の雨天霧風の場合は、下山するのもけっこう怖いです。

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